セミナーコラム

ベストな新卒社員研修の内容は?現場の事前ヒアリングが重要

 

新卒社員の研修内容をどういったものにするのか、頭を悩ませる担当者は多いです。今回は、効果の高い新卒研修の内容とはどのようなものなのか、その目的に照らして具体的に解説していきます。

1.新卒研修の目的と内容

新卒社員の研修目的として最も基本的なものが、新社会人としての自覚を持たせ、即戦力として機能させることです。

研修の内容も、その目的に照らして組むことになります。これについては、形式化されたテンプレート的なものを毎年行うよりも、現状に即したものをより実践的に提供することが望ましいです。

 

1-1. 実戦を意識した研修が大事

具体的には、現場で活躍している先輩社員に必要なスキルをヒアリングして、それを研修内容に落とし込みます。こうすることで、より早い実戦での活動が期待できます。

 

(1)名刺交換の例

たとえば、名刺交換のやり方は、多くの企業が取り入れています。その内容は、「綺麗な渡し方」がベーシックなものです。

 

しかし、それが「実戦的」とはいえません。実際の名刺交換のシーン(とりわけ営業の場面)では、相手よりも先に出すことが大事になってきます。

いかに綺麗な渡し方が身についていても、それをするタイミングが遅くては、全く意味がありません。そのままでは、実戦で使えない新卒社員なままです。

 

研修をテンプレートではなくて、実際に現場で働いている社員からノウハウを聞いてそれを反映させれば、本当の意味で内容のある研修にすることができます。

 

1-2. 共通の基本的な新卒研修

もちろん、部署により実戦的な研修内容は異なります。新卒だから一様ではありません。ただし、OAスキルのような基礎的なものは、やはり共通なものになります。

 

(1)OAスキル

どの部署でも、word・excelのスキルは必要になってくるからです。大卒だから必ずこれらのOAスキルが身に着いているとは限りません。

ビジネスで、それこそ実用的に使えるレベルに達している新卒社員はむしろ少数です。このOAスキルの習得も、形式的なものではなくて、より実際的なものであるべきです。

 

■配属部署で使える方法を研修

部署によって、特に使う機能、ツールが存在します。基本的なことはもちろんですが、すぐに仕事のパートナーとなれるように、普段から活用している機能などを、より具体的に教えるのが効果的です。

 

特にこのような研修が実施できると、いざ現場に入ったときの評判が良くて、担当者の株が上がることが多いです。

 

(2)ビジネス文書

共通して身に着けておきたいスキルには別に、ビジネス文書があります。LINEやtwitter、instagramなどのSNS機能でメッセージを送り合うことに慣れている新卒社員も、ことビジネス用の文書となると、全く書けないことが大半です。

 

ビジネス文書が書けないということは、上司に口頭での報告も、上手くできないことにつながります。「一体この新入社員は何が言いたいんだ?」と首を傾げてしまうシーンがよくあります。

 

■日常業務の根幹となるスキル

通常業務の支障にもつながりますから、口頭よりもハードルの低い、自分の伝えたいことをしっかりとした言葉で表現するための、ビジネス文書の研修が大切です。

 

ビジネス文書の研修内容としては、具体的には、実際に企業から出されたプレスリリースの要約であったり、これもリアルな複数の報告書を1つの文書にまとめたり、といったことが採用されています。

 

1-3. 毎年のアップグレードが必要不可欠

昨年の研修が上手くいって各部署からの評判が良かったとしても、同じことを毎年続けるのはNGです。それぞれの部署や現場からのニーズは、年々変化していくものであるからです。

 

去年はこういったスキルを重視していたけれど、今年はこういった面に習熟した人材が欲しい、といったように、要望は変化します。

 

(1)ヒアリングを元に新鮮な研修を

そのため、事前のヒアリングが非常に重要です。研修が近くなってきたら、あらかじめ現場に行って求めていることが何かを聞き、それをまとめます。

 

去年上手くいった点を生かしつつ、さらに今求められていることをそれに加えます。そうやって新たな研修内容を組み立てることが、去年ではなくて今年から現場ですぐに活躍できる社員の育成につながります。

2.ユニークな新卒研修を紹介

新卒研修では、世間でも話題になるような、ユニークな内容を取り入れている企業も多く存在します。この項目では、特に面白い新入社員研修について紹介します。

 

2-1. スラムダンク研修

文房具で有名なコクヨ株式会社では、伝説のバスケ漫画「スラムダンク」を使った研修を行いました。

どうしてこれほど強いチーム力が生まれたのか、なぜ急に劣勢だった試合の流れが変わったのか、そういった問題を互いに議論し合うことで、それこそチームワークやコミュニケーション能力の向上を図ります。

 

2-2. 暗闇研修

トヨタ自動車など多くの有名企業が採用しているのが、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と呼ばれる暗闇研修です(参考:ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ 導入事例 http://www.dialoginthedark.com/company/product/details.html?no=1226)。

 

これは、その名の通り、暗闇の中でディスカッションや共同作業を行います。それによって、コミュニケーション能力のアップや、問題に対して協力して解決するための手法の取得を目指します。

 

2-3. ガム取り研修

株式会社ロッテでは、毎年、ガム取り清掃活動を、新卒社員研修の一環として行っています(参考:株式会社ロッテ 2018年度『ガム取り清掃活動』 https://www.lotte.co.jp/info/news/pdf/20180404092102.pdf)。

銀座4丁目の交差点を中心に、基本的に2002年から毎年実施されています。

 

「ガムポイ捨てダメー!」と書かれたジャンパーを着用しながら清掃活動に励んで、マナーの重要性を身を持って知ることを目的としています。

3.新卒社員研修の内容についてまとめ

今回は、特に新卒研修の内容について、焦点を当てて解説してきました。

 

OAスキルやビジネス文書、名刺交換のような基本的な研修を行う必要がある一方で、より現場のニーズに即した実戦的なものを行っていくことが求められています。

 

刻々と変わる各部署の要求に応えるためにも、毎年、その変化に対応した新たな内容を構築して研修を実施することが重要です。

 

企業の個性に特化して、他がしないような画期的な研修を採用するのも、新卒社員の意欲を刺激して、これからの成長への期待を表明するために、高い効果があります。

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