マネジメント研修とは、管理職層に向けたものをいいます。管理職に必要なのは、特に部下の指導力、コミュニケーション力です。これらの育成を、研修を通して図ります。
最近では、人手不足の関係から、管理職も現場に出て、部下とともに業務にあたるシーンが多くなっています。このとき、管理職のスキルが低いと、部下に適切な指示ができず、良い成果を上げることができません。
長期的にみても、資質のある部下を上手く育てることができず、やがて企業の業績悪化へとつながります。ここへの問題意識を持つ企業が増えていて、それがマネジメント研修への注目の高さへと結びついています。
1.研修会社を利用することが多い
マネジメント研修についても、専門の研修会社を利用する企業が多いです。研修の形式としては、以下のものが挙げられます。
1-1. 公開講座
研修会社が用意している公開講座に社員を派遣して受けさせるものです。特に他の企業の社員との交流を図れるメリットがあります。目的を同じくする人との刺激が、研修をより効果的なものにします。
1-2. 講師を招く
社内に研修会社から講師を招いて行います。特に研修を受ける人員が多い場合には、採用しやすいです。また、研修内容もより自社のニーズに特化したものに最適化しやすいです。
1-3. eラーニングで各自取り組む
多忙な社員のために、eラーニングによる研修も実施されています。これは、自宅にいながらパソコンで動画を観て学習できるので、なかなか研修の時間を確保できない人に重宝されています。
2.対象別の研修内容
2-1. 管理職になりたての方
初めて管理職となった人に向けて行われる研修は、まず基本的な知識を学びます。管理する方法について理解を深めて、部下とのコミュニケーション、指導方法について学習します。
2-2. 管理職として前から働いている方
既に管理職になっている人を対象にしたものは、まずは課題の認識から始めます。何が悪くて部下とのコミュニケーションが上手くいかないのか、それを客観的に認識しなければ、解決の方向には進みません。
逆に課題を的確に理解できれば、そこからの是正は比較的に容易です。経営と現場の橋渡しの仕方、コーチングのスキルアップやハラスメントに対するリスク管理など、より実践的な内容を学びます。
3.マネジメント研修の各種内容
3-1. チームマネジメント
チームとして協力体制を築き、課題を克服するために邁進するには、管理職のチームマネジメントが必須です。そのため、チームマネジメント研修の必要性が高まっています。
チームの運営の仕方、チームとしての目標の設定や共有方法、進捗管理のやり方まで具体的に習得します。
3-2. 経営マネジメント
チームマネジメントよりもさらに広い視野を持った、経営マネジメント研修も行われています。組織の理想のリーダー像はどんなものなのか認識し、組織全体のマネジメント能力を養います。
3-3. セルフマネジメント
マネジメント能力は、必ずしも外的な要素だけを評価するものでありません。ストレス管理やマインドセットなど、より内的なセルフマネジメントも重要な内容です。
どういったモチベーションで仕事に臨むのが結果を出すために有効なのか、そのマネジメント方法を知ることで、より部下とのコミュニケーションも上手に取って、やる気にさせる言葉や接し方が身に付きます。
3-4. タイムマネジメント
仕事の効率化を高めるためには、短期的、中期的な時間管理能力が必須です。1日のうちでチームとして達成すべきノルマ、半年で到達すべき目標ラインを明確に判断し、それをチームとして共有することが大事です。
これに特化した内容が採用されるのがタイムマネジメント研修です。管理職だけに当てはまらず、若手から経営者層まで幅広く有意義なものになるのがこの研修の特徴です。
これまでのチームとして取り組んだプロジェクトを振り返り、タイムロスの要因を見出します。その反省と打開策を次の業務に生かして、一定のフィードバックを得ます。さらにそれを次の仕事に還元して、というように、段階的にレベルアップを図っていきます。
4.最近のマネジメント研修の特徴
最近では、マネジメント研修において、チームとして参加してゲームを行うことが増えています。たとえば、研修会社のなかでも有名なインソースでは、チームマネジメント研修の内容として、ドミノインテリアを実施しています(参照:株式会社インソース チームマネジメント研修 https://www.insource.co.jp/kanrisyoku/ka_teammanage_com.html)。
ドミノインテリアというのは、各チームに分かれて、それぞれがインテリアの製造販売業者となります。ドミノでお客様(講師)の要望するインテリアを作り、納品します。
4-1. 勝つために必要なマネジメント力
チームで協力して指定のインテリアを作り、さらにチーム内で営業を担当するものを決めるなど、成果を挙げるためには的確なマネジメント力が必要です。
4-2. PDCAサイクルの大切さに気づく
特にビジネスの基本であるPDCA(Plan「計画」、Do「実行」、Check「評価」、「Action「改善」の4つの工程からなるサイクルのこと)が大事な役割を果たします。チームとしてともに各工程を意識していけるかが、成功の鍵となります。
5.マネジメント研修の内容についてまとめ
特に管理職層をターゲットにしたものが、マネジメント研修です。チームとして成果を挙げて、それを会社組織全体への業績へと還元させていくために、必須なのがマネジメント能力です。
特にチームマネジメントやセルフマネジメント、タイムマネジメントなど、色々なマネジメント研修が用意されています。
なかでも特に大事なのはチームマネジメントで、部下との接し方や、個々のプロジェクトのフィードバックの共有方法など、学ぶべき点は多いです。
企業や部署、個人のニーズに応じて、適切な研修会社の効果的なカリキュラムを選ぶのが、研修を有意義なものにする重要なポイントになります。